親しみを感じるパターンの書き方

パターンを書くのは、当然自分の知識やノウハウを人に伝えたいという思いから書きます。書いていく中で、より人々に共感や親しみを感じるように書くにはどうしたらよいのかと思うようになります。実際、パターンを読んで自分の業務などに活かしたいと思う人は、そのパターンに書かれている内容に初めて触れて学ぶので、多少なりとも認知的な負荷が生じるわけです。

このような負荷を抑えながら、パターンに記述された知識をいかに人にスムーズに伝えられるか。これをパターンの書き方によって、少しでも実現できないか。発表されているパターンを読みながら、そのようなことを考えています。今のところ、下に挙げるようなポイントがあるかなと考えています。

イラストが書かれている : パターンの冒頭に象徴する絵が書かれているものをよく見かけます。パターン記述は論理的な左脳を働かせる感じですが、最初にイメージ画像があると、自然と直感的な右脳も刺激されるような気がします。

形式張らない: パターンは、コンテキスト・問題・フォース・解決方法・結果といった項目に則り記述されることが多いです。これは知識を整理する上では有用ですが、形式的すぎて人に伝えるには無機質な印象を与えるかもしれません。形式張らず、パターンの項目を立てているにしているものがいくつかあります。伊庭先生のパターン"ラーニング・パターン"などは、このような印象です。

フランクな記述: 上と似ていますが、パターンは論文で発表されることも多いためか、少々固い文章で書かれることもあります。ただ、人に共感を持って伝えるという観点では、砕けた表現でパターンを書くのも一つの方法に感じます。Fearless Changeの日本語訳はまさにこのような印象。

ストーリーテリング: パターンの中には、項目を立てて形式的に知識を書くものですが、それだけでなくそのパターンを使ってみたときにどんな効果があるのかを物語として書いているものもあります。これも、パターンを読む人が、置かれた状況を追体験でき、イメージをしやすくする効果がありそうです。ストーリーになると、人の感情を揺り動かす効果があるので印象に残るのかも。Fearless Changeでは、いくつかの章を使って現場にパターンを適用していく物語が描かれています。

私自身、パターンをたくさん読み込んでいるわけではないので、他にも「親しみを感じるパターン」のパターンがありそうですね。引き続き、模索して考えていきたいです。