人に伝わるパターンとは

パターンを開発チームに浸透させていくには、どうしたらいいか、ここで仮説として思うのは、分かりやすい言葉でパターンを記述するのはもちろんのこと、文体を読みやすいように工夫することも必要なのではないか、ということです。

上司の部下に対する接し方として、一緒になって課題を考えてあげるいわゆる伴走型の上司が求められていると言われて久しいですが、パターンについても同様のことが言えるのではないか。

というのは、パターンは、ある比較的熟練者が他の人にノウハウを伝達する目的で作ります。そう考えると、パターンを記述する人には技術的あるいは知識的優位に立つという前提が生まれ、そこには意識するしないに関わらず上下関係が生じることになります。

もちろん、学会などの正式な場でパターンを発表するという時には、型に則った形で整理するのが良いと思います。それとは別に、特にチームで一緒に働いているメンバーに対して知識を共有するには、先の伴走型のようにパターンを通じて一緒に分かち合おう、という意思が伝わるものが良いのかなと思うのです。体温の伝わるパターン、でしょうか。

体温の伝わるパターンとは、どのようなものでしょうか。パターン記述の型や文体、色々な観点がありそうです。最近はこんなことを考え始めています。

パターンに関しては、慶應大の伊庭先生が長年研究をされています。伊庭先生の研究室の学生をメンバとしたコラボレーション・パターンを拝見したのですが、人に伝えようという意識が伝わるパターンに感じました。

人に伝わるパターンというのは、どのようなもので、どう書くのか。このあたり、どこかで時間をとって考えてみたいなと思います。